研究テーマ

エネルギー変換グループ
エコシステム開発部門や先端ECデバイス研究部門の成果に基づいて,高効率で環境低負荷な有機合成プロセスの開発や高感度で高機能な光反応性高分子の開発を進めてきました。中でも,新しい触媒反応を開発することにより,高選択的にカルボニル基をメチレンに還元する反応や,酸素以外の元素を含む有機化合物への応用を目指します。また,光と熱に反応する高分子材料を設計することにより,複数のエネルギーに感応する高分子材料の開発を目指します。さらに,コンビナトリアル法による高速合成と高速物性評価を推進します。
バイオ水素の創生とその利用を提案することを目指します。これはSDGsの「12: 持続可能な生産消費形態を確保する」に関連し,ライフサイクルアセスメント(life-cycle assessment: LCA)に基づいた開発を進めます。廃木材などを原料として水素を生成し,その高純度化,貯蔵,燃料電池による発電,キャパシタへ充電するシステムを構築し,LCAを評価します。
一方,小型かつウェアラブルなバイオ燃料電池では、紙および転写シートを利用した印刷型ウェアラブルバイオ燃料電池の開発と利用を進めます。発汗中の乳酸をモニタリングできる燃料電池は、アスリートの健康管理に利用できます。ウェアラブルなデバイスの開発には、印刷型ペーパーデバイスの開発、酵素に適したメソ孔を有する炭素材料の開発を行います。
固体高分子形燃料電池の開発では、安定かつ高出力化が可能な電極材料として導電性ダイヤモンド触媒担体へ担持した金属錯体原料の電極触媒の開発を行います。

エネルギー貯蔵グループ
リチウム電池に替わる高容量で高効率な電池として,1族以外の金属を使った電池の開発と利用を目指します。また,リチウムイオン電池の用途の多様化に対応するため、原子からマイクロレベルで構造制御された高容量電極の作製に加えて、高速マテリアルスクリーニングとデバイス指向型の評価・解析を実施し、材料の最適化と新たなデバイスの開発を目指します。
また、実験と計算化学を併用した原子配列モデリングに基づくマテリアルスクリーニングにより材料探索を行います。さらに、種々の作動条件下における電池特性の劣化機構を、電気化学特性の評価と、量子ビームを用いた原子・電子レベルの解析で、エネルギー変換部門と協力して検討します。評価・解析結果を材料探索にフィードバックし、使用目的および作動条件に応じたデバイス設計を提案します。