研究部門について

石油資源の枯渇や経済的な不安定性が叫ばれる昨今,効率的なエネルギーシステムの開発や高効率なエネルギーの利用と新エネルギーの開発が急務になっています。特に,石油の大部分を輸入に頼る我が国においてその傾向は顕著です。本学においても,これまでにエコシステム研究部門や先端ECデバイス研究部門において電気化学デバイスの開発と利用を検討しており,上市可能なデバイスを開発するに至っています。
また,国連が提唱する持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)には17の世界的目標が掲げられており,これからの技術開発には不可欠な目標となっている。SDGsの中では,

7: すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
12: 持続可能な生産消費形態を確保する

が本部門に強く関連します。
本研究部門では,先端ECデバイス研究部門の精神と成果を引き継ぎつつ,電気化学デバイス,水素エネルギー,熱エネルギー,光エネルギーに特化して,エネルギー開発と利用・環境低負荷な利用を検討します。
本研究部門は,エネルギー変換およびエネルギー貯蔵の研究グループにより構成されます。エネルギー変換グループはエネルギーの創生や変換に係る技術や材料の開発を,エネルギー貯蔵グループはエネルギーの貯蔵や利用に係る技術や材料の開発を担当します。これらのグループは相互に連携することにより,エネルギーの創生・変換・貯蔵・利用に係るシステムの構築を目指します。また,先端エネルギーデバイスを開発するにあたり,本研究部門に属する教員が専攻や研究分野の枠を越えて互いに協力して現状の問題点を克服することにより,デバイス開発が加速されるとともに,教員相互の基礎知識レベルを向上し,加速度的な相互協力を引き出すことができると期待されます。
本研究部門に第一線級の教員が参加することにより,さまざまな分野で学界の最先端に位置する情報や技術が集積できるため,only at TUSに基づく,本学独自で本学ならではのオリジナリティの高い技術開発とノウハウの集積が期待されます。
また,本研究部門の特徴として,理工学研究科の横断型コースであるエネルギー・環境コースと協力を進めます。これらの新システムや新材料の開発には教員とともに学生の参加が不可欠です。次世代の科学技術を担う学生の教育研究を通じて技術や智恵を伝承し,エネルギー・環境コースの学生や教員との積極的な交流を図り,本研究部門の目的を早期に達成できるように企図しています。